題名 |
公開日 |
人数(男:女:不問) |
時間 |
こんな話 |
作者 |
風のシルヴィア(8)~黄昏を総べる者~
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2014/09/06 |
4(2:1:1) |
25分 |
貴女と出逢えた奇蹟を神に感謝します。
私を心から必要としてくれた貴女にも。
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ニコ |
登場人物
(年齢) |
性別 |
その他 |
シルヴィア
(26) |
♀ |
記憶喪失の美女。
風邪ひいたり泣いたりはしゃいだり。
なんとも難しい台本ですが頑張ってください。
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レム
(1012)
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不問 |
小悪魔的な天使です。
普段は中性的な少年の姿をしています。
最近彼女と別れました。 |
ルミエール
(892) |
♂ |
白い竜です。
普段は中性的な青年の姿をしてます。
真面目過ぎて友達が出来ないタイプです。 |
スターナ
(331) |
♂ |
賢人です。
優しく演じてください。
人生経験豊富な貴方だからこそお願いしたい。 |
衛士(不詳) |
不問 |
ただの衛士(えじ)です。
スターナ役の人が兼ねるのをお勧めします。
ギャップをつけると楽しいです。 |
「風のシルヴィア(8)~黄昏を総べる者~」
港でそりゃあもう癒されたシルヴィアは聖都へと向かったのだ。
宗教臭い話になってしまい誠に遺憾です。
赦されたい人の為の台本です。
( 聖都グランシルヴァニア:憩いの広場 )
レム:聖地巡礼の皆さぁん♪
ここ、聖都グランシルヴァニアはエルジュの生誕地です。
エルジュはこの地から8つの大陸を渡り歩き、
最後にこの地で神と成られました。
シル:白い石畳に白いレンガ。
そして七色の窓か。
……飾らぬ街並みだが心が落ち着くな。
レム:ここは聖都と銘打ってはいますが、
立派な独立小国家です。
誰もエルジュの教えを妨げる事は出来ません。
そもそも戦を仕掛けるような悪人には天罰が下ります。
シル:ごほっ、ごほっ。
なんだ…身体が寒い…?
日差しはこんなにも照っているのに……。
レム:おや、
大丈夫ですか?
綺麗な巡礼者さん。
シル:済まないが急に具合が悪くなってな。
放って置いてくれないか?
レム:そうは参りません。
聖都で病人を見捨ててはエルジュの教えに反します。
シル:うっ……!?
ごほっ…ごほっ…!!
レム:僕は精霊官のレム・ジストリアです。
聖都の治安維持とスターナ様の御世話が主な役目です。
シル:スターナ…様?
レム:偉大なる七賢人の一人です。
お姉さんが咳き込んでいるのも、
スターナ様の神格に自身の罪悪感が負けているからなのです。
シル:馬鹿な……。
人間一人がそれ程の力を持てる筈がない。
レム:おや、七賢人を御存知ないのですか?
300年前に聖魔戦争で功績を挙げた14人の内の片割れ……。
スターナ様はその一人ですよ?
シル:ごほっ…ごほっ…。
これ…は……?
ルミ:止めておけ、
レム。
レム:あぁらら、
ルミエール君じゃないですか。
ルミ:血を吐いてるだろう。
精霊官ともあろうものが救いの手を差し伸べぬのか?
シル:血……?
私の罪とは…これ程までに…。
レム:これも贖罪の一環ですよ。
痛みこそ最も身近で忌諱すべき恐怖です。
治癒は本当に死にそうになってからでも遅くはありません。
ルミ:ルミエール・キュールだ。
精霊官として加護を授ける。
レム:えっ?
ちょっと―――!!
ルミ:( 被せる )これで少しは楽になる筈だ。
レム:知ぃらないっと。
シル:聞かせてくれ、
精霊官殿。
私の罪はスターナ様に祈れば消えるのか?
レム:あーあ。
こりゃ絶対会いに行くつもりですよ?
ルミ:あの御方は総ての痛みを癒す術を知っている。
だが、会う事は難しいだろうな。
シル:何故だ?
ルミ:グランシルヴァニアの精霊庁、
あの天宮にも届く塔の最上部にスターナ様は座して居られる。
シル:随分遠いな…。
ルミ:位置も地位もな。
あの御方はエルジュの大司教だ。
レム:祈りや懺悔なら聞き届けますよ?
僕等ってこう見えても神父扱いなんです。
シル:いや…自分で出来る事はしておきたい。
せめてあの塔の行ける所まで行ってみるさ。
レム:( 溜息 )。
ルミ:まあ止めはしないが、
無茶をしては身体の為にならないぞ?
シル:ここは聖都。
魔物も居なければ死人が出る事も無い。
病人でも安心して歩ける筈だ。
レム:生意気な竜は出ますけどねぇ。
ルミ:落ちぶれた天使もな。
シル:ごほっ…ごほっ…。
……急がないとな。
レム:お姉さん名前はぁ?
気が向いたらスターナ様に伝えておきます。
シル:シルヴィア・シルフィードだ。
記憶を取り戻すために貴方がたの主に用がある。
ルミ:シルヴィア……。
そうか…成程。
シル:ぐっ!?
……ごほっごほっ、
…くっ……この程度で!!
レム: ……行っちゃったねえ。
もしスターナ様に会っても、
罪悪感で即死だろうに。
ルミ:アイゼフィールのシルヴィア・シルフィードか。
随分遠くまで旅をしているのだな。
( 間 )( 精霊庁:エントランス )
シル:この門を開けてはくれまいか?
衛士:駄目だ。
シル:スターナ様に逢わせてほしい。
衛士:駄目だ。
シル:どうすれば良いんだ?
衛士:七賢人は一国を滅ぼすほどの力を秘めている。
故に我々の守護神でもあるのだ。
シル:危害を加えるつもり等―――!!
衛士:( 被せる )無礼者が!!
シル:ぐあっ…!?
衛士:貴様の様な浮浪者がスターナ様に謁見だと!?
身の程を知れ!!
シル:ごほっ…頼む……!!
このまま何も解らずに死ぬのは嫌なんだ……!!
せめて真実を知ってから……!!
自分がどういう人間なのか知ってから消えたいんだ…!!
衛士:このっ―――!!
レム:( 被せる )すとぉぉっぷ。
衛士:むっ!?
せ、精霊官殿。
レム:お姉さん顔見せて?
シル:うっ…うぅ…。
レム:あーあー、
落ちぶれちゃって、
ひどい顔だなぁ。
シル: ……うぅ。
レム:ちなみにスターナ様はね、
今日は精霊庁から施薬院に慰問に行ってたんだ。
僕とお姉さんが出会った広場のちょこっと先に居たんだよ?
シル:何…だと?
レム:お姉さんが瀕死になったのはそのせいさ。
スターナ様と同じ空間に罪人が居る為には、
僕達精霊官の加護が必要なんだ。
シル:貴様!!
レム:そして今、
ルミエールがスターナ様を乗せてここにやって来る。
お姉さんは精霊庁を目の前にしてお空を仰ぎ、
最後に七賢人を瞳に収めて衰弱死。
どうだい?
シル:せいぜい足掻いてやる。
人間の底力を舐めるなよ、
怪物ども。
衛士:きっ、貴様ッ!!
精霊官殿に向かって―――!!
ひっ!?
シル:賢人なんて知った事か。
私は人を試す奴が大嫌いだ。
そんな奴に跪く奴等もな。
衛士:ぬっ…うう。
レム:怪物とは随分だねぇ。
僕ってそんなに不細工かな?
シル:謙遜するな。
中身ははち切れんばかりの魔力で満ちている。
人の皮を被った何か、
なのだろう?
レム:ふぅむ、
……じゃあ翼が生えちゃったりして♪
シル:なっ!?
レム:頭に輪っかが乗っかっちゃったりして♪
シル:天使…なのか?
衛士:お、お待ち下さいレム殿!!
貴方が本気になれば精霊庁とて―――!!
レム:天使に弓引き罪の浄化を求める者よ、
命を刹那と覚悟して立ち向かってくるが良い。
さもなくば、
黄昏の彼方から求める死神がやって来るぞ?
シル:( 咳き込む )……。
ふっ、確かに時間は無いようだ。
お前の加護とやら、
力尽くでむしり取ってやる!!
( 間 )( 敵わぬ相手とて )
レム:フム。
まあこんな所だろうね。
シル:はぁ…はぁっ…。
うっ…ごほっ、ごほっ!!
レム:その血は手傷によるものかな?
それとも罪の顕現かな?
シル:どちらでも良い。
敵わぬ戦も面白いものだ。
敵わぬからこそ挑む価値がある。
衛士:あわわ…。
何故だ、
何故そんな傷だらけになってまで……。
シル:この程度、
諦める屈辱に比べれば造作もない。
レム: ……もうスターナ様が来る時間だよ?
シル:そうか。
良い試練だな。
レム:誰にでも等しく機会は与えられるもの。
エルジュの教えでぇっす。
シル:ありがとう、
最後に武人として死ねて良かった。
レム:おやおや、
良い顔してますねぇ。
シル:( 嬉しそうに )ああ、
やっぱり私は人殺しなんだよ。
戦うのが大好きなんだ。
レム:ふうん。
シル:死ぬまで付き合ってくれ。
レム:( 詠唱 ) ……光差す所慈愛在れ。
神の御手届く所奇跡在れ。
今こそ天宮の御座より降り注ぎ、
咎人の御魂を癒す加護を示さん。
シル:これは…!?
レム:僕の加護です。
さっさと先へ行ってください。
シル:何故だ?
レム:お姉さんが善い人だったからです。
シル: ……どこが!?
レム:貴女は嘘を吐かなかったじゃないですか。
それで充分ですよ。
シル:そんな事で――!!
レム:( 被せる )居ますか?
貴女の周りに自分の罪を公言出来る人が。
シル: ……嘘、か。
もう少し自分を偽れれば良かった。
そうすればこんな所まで来ることも無かったのに、
可笑しな人生になったものだ。
レム:( 笑い )。
( 間 )( 精霊庁:天空の通路 )
ルミ:下で随分と騒がしかったな。
シル:( 荒い息 )。
七賢人は…この先か?
ルミ:珍しい事もあるものだ。
レムが人間を赦すとは。
シル:質問に答えろ。
ルミ:私がここに居ると言う事は、
そういう事だ。
シル:( 溜息 )。
また戦うのか?
ルミ:いや、その必要もあるまい。
私の加護なら既に与えているし、
ふっ……。
どうせ私が勝つに決まっているしな。
シル:竜の爪……!!
貴方はドラゴンなのか!?
ルミ:一応白竜の仲間だが追放された身だ。
未練も無ければ拘りも無い。
シル:加護の御蔭で体調なら万全だ!!
負けるかどうかはやってみなければ解らないじゃないか!!
ルミ:その手傷で何をほざくのか……。
目の前の目的を忘れるなよ?
シル:だって…竜なんだもん。
ルミ:慎め。
私は争いが嫌いだ。
シル: ……済まない。
ルミ:お前が衛士達と戯れている間に丁度良い時間になった。
スターナ様も公務が終わり、
先程からお待ちかねだぞ?
シル: ……良い黄昏だな。
ルミ:ん?
……ああ、私も好きだな。
此処から望む展望は。
シル:この黄昏に染まるのが怖くて下界に降り立つのだろう?
ルミ:ほう?
シル:民の暮らしが解っても自分達は特別な立場に居る。
きっとこの景色と同じように、
美しくも虚ろな自分を見るのが怖いんだ。
ルミ:人々の苦痛を総べるのがどれだけ不毛であろうと、
あの御方は御手を示し続ける。
その覚悟はとうの昔に出来ている。
シル:天使や竜を侍らせて、
ただそこに居るだけで人を瀕死に追いやって、
300年もの悠久を生き続ける…。
賢人って何だ?
ルミ:会ってみれば判るさ。
くれぐれも粗相のない様にな。
( 間 )( 精霊庁:大司教執務室 )
スタ:やあ初めましてシルヴィアさん。
私がスターナ・ペンドラゴンです。
シル: ……えっ。
あ…はい。
レム:くすっ。
ルミ:ふっ。
スタ:記憶探しの旅は順調ですか?
シル:どうしてその事を?
スタ:貴女に興味が在ったからです。
私と違って、
自由に世界を旅することが出来るとは羨ましい。
シル:私の旅はぬかるみと茨の道程でした。
過去の自分がこんなにも自分を傷つけるとは思いませんでした。
スタ:是非お聞かせください。
貴女の事をもっと知りたいのです。
シル:若いのですね…もっと威厳が有るのかと。
スタ:七賢人は齢を取りません。
我々は300年前から何一つ変わらずに居ます。
シル:寂しくは無いのですか?
スタ:この黄昏を感じるようなものです。
それと同じくらい夜明けもあれば、
共に満天を愛でる仲間も私には居ますから。
シル:大司教とはどんな仕事を行うのですか?
レム:ぶっ…!!
( 爆笑 )。
ルミ:( 笑い )おい……。
レム:だって…。
ふふふっ。
スタ:生きとし生ける者総ての救済を願い、
認め続ける仕事です。
悪人も罪人も、
平民も国王も、
総てがエルジュの前では平等で尊き者です。
シル:悪人も罪人も…ですか?
スタ:彼等が奪ったものは皆平等に返されるべきです。
そして、
彼らが傷つけた痛みは平等に彼らに返されるべきなのです。
シル:私は尊い存在ではありません。
たくさん人を殺し、
加護無しでは貴方に顔向けすらできないほど酷い女です。
スタ:もうたくさん傷ついてきたのでしょう?
シル:まだです。
もっと傷つかなければ心のさざ波が癒えません。
どうすれば救われるのかも判りません。
スタ:それでも貴女は私に逢いに来てくれました。
シル:それは……。
スタ:貴女と出逢えた奇蹟を神に感謝します。
私を心から必要としてくれた貴女にも。
シル:私は人殺しです。
スタ:私もたくさんの魔族を殺めました。
レム:良い事です。
ルミ:慎め。
レム:ふぁぁい。
スタ:彼等にも家族が有り、友が有り、
愛が有りました。
人と何ら変わりません。
シル: ……どうして人は殺し合うのですか?
スタ:そういう生き物だからです。
私も貴女もその他の方も同じです。
シル:それが健全なのでしょうか?
スタ:いずれ死を嫌悪し、
血を忌み、暴力を避ける世界が訪れるでしょう。
シル:良い事です。
スタ:その未来が秩序に支配され、
貧富を定める為に影で争いを続け、
人同士が関わり合いを避ける世界でも?
シル:それは…。
スタ:我々は『この世界』を護るために存在しています。
シル:ですが貴方は、
この世界の不浄の本質を知っているのですか?
スタ:私も元はと言えば盗賊です。
物を奪い、殺人を犯し、
身体を売って命を繋ぐことも有りました。
ルミ:スターナ様。
レム:さ、300年前の事だから!!
スタ:いいえ?
確かに快楽の為に私は罪を犯しました。
あるいは現実から目を背けたかったのかも知れません。
シル:それがどうして……。
スタ:あの人が赦してくれたからです。
シル:あの人?
スタ:いにしえの話です。
今を生きる貴女に私が言える事は、
出逢いと仲間と、
自分自身を大事にしなさい。
ただそれだけです。
シル:私の罪はどうすれば償われますか?
スタ:忘れて結構です。
その苦悩を他の人を救う為に費やしてください。
他ならぬ私の様に。
シル:私はこれからもたくさん人を殺します!!
私の正体とはきっとそういう物なのでしょう!?
スタ:大丈夫。
人は傷つけあう事で自分を確かめ合う生き物です。
だからこそ一人では居られないのです。
シル:やがて痛みが私を覆いつくし、
もうどうしようも無くなって、
私は何も出来なくなります。
スタ:私は貴女を愛します。
シル: ……やめてください。
スタ:貴女がこれから先たくさんの人を殺めても、
貴女を赦し続けます、
そして愛し続けます。
シル: ……どうして?
スタ:貴女の心が好きだからです。
七賢人としてではなく、
スターナ・ペンドラゴンとしてね。
シル:私も貴方を赦します……!!
貴方はとても立派な方です……!!
きっと…きっと救われてください……!!
スタ:ありがとう。
シルヴィア・シルフィード。
人に優しくすれば、
人に優しくしてもらえます。
それを忘れないでください。
シル:もっと一緒に居てください。
もう少しだけ話したいんです。
スタ:勿論ですとも。
そういえば、
冒険の話を聞かせてくれるのでは?
シル:ええ、
私にはかつてとても素晴らしい仲間が居ました。
そして旅の途中で彼等の何人かと再会することが出来ました。
彼等は―――。
ルミ:人間とはどうしようも無いな……。
愛し合うために殺し合い、繁殖しては淘汰されていく。
とんだ美しき失敗作だ。
レム:僕が好きだった女の子もあんな感じだったなー。
浮気をせずには居られないって事でしょ?
ルミ: ……違うと思うが。
レム:えーー!?
( 間 )( 旅立ち )
レム:ちょっとお姉さん、
本当にそっちのゴッツイ乗り物で良いんですかぁ?
シル:ああ。
レム:僕にしときなさい!!
ほら見てごらんこの翼、
羽毛の触り心地だよん?
シル:やだ。
ドラゴンが良い。
あと個人的にお前が嫌いだ。
レム:ちぇっ、
ついでにタラ料理でも食べに行こうと思ったのに。
スタ:頼みましたよルミエール。
シルヴィアさんを目的地まで送り届けてください。
ルミ:( ※ここから竜化しているので出来れば多少ドスの聞いた声でお願いします。 )
かしこまりました。
彼女の記憶の最後の欠片を埋める地へ。
シル:本物のドラゴンかぁ…。
綺麗な鱗だな。
ルミ:余り触れるな。
褒められるのは好きではない。
シル:皆ありがとう。
私の為にここまでしてくれて。
スタ:いえいえ、
気休め程度に捉えてください。
最後に道を決めるのは貴女自身なのですから。
レム:真面目に成りすぎるなよー?
ゆるぅく生きていこうなー。
ルミ:行くぞシルヴィア。
精霊庁を長く留守にする訳にもいかん。
飛ばすからな?
シル:ああ頼む!!
私の感じたことも無い風を感じさせてくれ!!
ルミ:( 笑い )良かろう。
振り落とされても知らんぞ?
( 間 )( 白竜のせなに乗って )
シル:良い景色だなぁ!!
ありがとう、
ルミエール!!
ルミ:こちらこそ礼を言う。
スターナ様に巡礼者が面会するのは何年振りか解らぬ。
シル:それが感謝される事かなぁ!?
ルミ:誰かに必要とされるのは良い事だ。
あの天空の塔では余りにも孤独だからな。
シル:スターナ様も旅をすればいいのに。
ルミ:七賢人は容易く世界に干渉出来ぬ立場に居る。
そうでなければ世界が滅んでしまう。
シル:また逢いに行ったら喜んでくれるかな?
ルミ:( 笑い )。
今度は試練など無しに堂々と遊びに来るが良い。
それに私も、
お前となら手合せをしてやらん事もない。
シル:だったらもっと強くなろう。
人を傷つけるのは悪い事じゃないんだ。
ウジウジするのが一番皆を不幸にするんだ。
ルミ:ああ。
何があろうと悔やむな。
私もレムもスターナ様に救われた。
あの御方の赦しをお前の人生の無駄にすることは許さん。
シル:解っているよ。
無駄な事なんて何一つないさ。
だって私の人生なんだからな。
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