題名 |
公開日 |
人数(男:女:不問) |
時間 |
こんな話 |
作者 |
風のシルヴィア(12)~たゆたう萌色の星~
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2014/09/29 |
3(2:1)
※14(7:4:3)でも可 |
25分 |
興味のある星を覗いて御覧?
|
ニコ |
登場人物
(年齢) |
性別 |
その他 |
プーデット
(21) |
♂ |
女性に大人気。
作中屈指の癒しキャラです。
救い。 |
ニジ
(不詳) |
♀ |
神秘的な女性です。
生前は色々ありましたが現在は健やかに過ごされているようです。
少なくとも人間ではありません。
|
女騎士
(24) |
♀ |
金髪碧眼の美女です。
一体○ルヴィアなんだ……。
|
傭兵
(17) |
不問 |
黒髪の少年です。
2話で死んでる人です。 |
伊達男
(26) |
♂ |
若手の海賊船長です。
母性本能をくすぐるタイプ。 |
青髪の女
(24) |
♀ |
気の強い女海賊です。
すっかり世話女房ですね、ふふ。 |
子
(6) |
不問 |
美少年です。
6話で死んでる人です。 |
父
(31) |
♂ |
屑親父です。
僕は大好きです。 |
母
(25) |
♀ |
優しいお母さんです。
故人……。 |
漢『おとこ』
(38) |
♂ |
隻腕の漢です。
ムキムキマッチョ。 |
宿屋の店主
(不詳) |
♂ |
モブ。 |
天使
(1012) |
不問 |
いたずらっ子です。
トリックスター全開。 |
白竜
(892) |
♂ |
思春期まっただ中です。
シルヴィアと良い仲になる話も書きたかった……。 |
紳士
(331) |
♂ |
総てを悟っているかのような紳士。
どんな仕事をしているのかは判りません。 |
※オムニバス形式ですので♂2:♀1でも出来ます。
「風のシルヴィア(12)~たゆたう萌色の星~」
総集編というかサブイベント集というか……。
皆でわいわい演じても良し、兼ね役で本気を出しても良し。
思い出の詰まった回です。
( とがり山:霧の結界 )
プー:プー。
霧の中を歩いていたらすっかり迷ってしまったプー。
とがり山は果てしないプー。
ニジ:こっちへおいで?
プー:プッ?
……誰プ?
ニジ:良いからおいで?
霧の晴れている所まで案内してあげる。
プー:プー。
何処の何方かは存じませんが、
ありがとプー。
ニジ:この霧の結界は侵入者を別の世界へ迷い込ませるんだ。
何か奇妙な体験はしなかったかい?
プー:お菓子がいっぱいある世界へ行ったプー。
だけど食べすぎだって追い出されたプー。
ニジ:ふふ……。
良いね、素敵だよ。
プー:プゥ……プゥ……。
何処まで歩くプー?
ニジ:もうついたよ?
ようこそ星見の間へ。
プー:プウゥゥゥ……!!
ニジ:ここへ人が来るのは何年振りだろうね。
プー:お星さまがキラキラしてて綺麗だプー。
あ、お姉さんも綺麗プー。
ニジ:ふふ……私の名前はニジ。
風の神獣リューシオン様のスプリガン。
プー:僕の名前はプーデットだプー。
夢を追いかける旅人だプー。
ニジ:プーデット、
君もリューシオン様に力を分けて貰いに来たの?
プー:違うプー。
ここは色んな人の記憶が見れる場所だって聞いたプー。
ニジ:そうだよ?
ここは風の記憶が集まる場所だからね。
でも君はそんなものに興味が在るのかい?
プー:色んな人の人生を知りたいプー。
見識を広めて素敵なお店を開くんだプー。
ニジ:そうなんだ。
まぁ確かに退屈はしないかな、
これ以外に娯楽が無いからそうなのかも知れないけど。
プー:見ても良いプ?
ニジ:好きにすれば良いよ。
興味のある星を覗いて御覧?
プー:プー。
( 間 )( 風の記憶:紫苑色に佇む星 )
女:( 酔っぱらった演技でお願いします )――。
ふう……済まんな、
この私がお前の背中を借りるとは……。
今夜は少し酔い過ぎたかな?
傭:姐さんのおっぱいなら大歓迎っすよ。
それに軽いもんでしょ、
伊達に鍛えちゃいないっすからね。
女:お前……何時の間にか立派になって……。
ぐすっ……私は嬉しいぞ……。
うぅ……。
傭:止めてくださいって……。
道の真ん中で泣かれたら俺が泣かせたみたいじゃないすか。
女:今度は装備だな。
お前ショートソードでチクチク攻めるのも良いがな、
男なら大剣でバサッと行けバサッと。
傭:へいへい。
どうせ俺は団長みたいにかっこよくは成れませんって。
女:うん?
なぁんでそこで団長が出てくるんだ?
傭:さ~?
なんででしょうか?
女:うぅ……頭が痛い。
今夜はどうにかしてるみたいだ。
傭:大丈夫っすか?
あの……ええっと……・
……部屋で休んでいくッすか?
女: ……部屋ぁ?
傭:このまま兵舎へ帰っても変な噂が流れるだけっす。
いっそ今夜は二人だけで寝た方がぁ……なんて。
女: ……。
傭:いや……何でもないっす。
はは……何でもないっすよ。
本当。
女:ふふっ……。
重いぞ?
私は。
傭: ……覚悟できてなきゃ誘ってないっすよ。
それとも俺、
そんなに軽い男に見えるっすか?
女: ……。
傭:まあ、いざとなったら逃げ出しますけど。
その時は姐さんも一緒っす。
女一人くらいなら何時だって護り通してみせますよ。
俺の命に懸けてね。
女:( 寝息 )――。
傭:あーあー、ったく……。
お約束にも程があるっす。
女:( 寝息 )――。
傭:……ふふっ。
もしもし、
姐さん?
( 小声で )……愛してるっす。
女:うぅん…団長。
行かないで下さい……。
ロヴェル団長……。
傭: ~~~~ッ!?
これだもんなぁ……。
とほほ……。
( 間 )( 風の記憶:逆巻く蒼き星 )
青:海路は決まったのかい?
伊:ああそれなら……。
決まってりゃあ、
こうして机に座ってねえわな。
青:駄目男だねえ……。
さっさと獲物を探さないとあんたも島流しにされちまうよ?
伊:焦らない焦らない。
第一ほれ、
獲物を狙うだけが海賊って訳でも無いだろ?
青: ……なんだいそれは?
伊:香辛料。
……と言う名の不思議な粉。
青:あんた……。
原住民の女を口説いてたと思ったら、
そんな取引してたのかい。
伊:ケッケッケ……!!
無償の愛ってのは性じゃないんでな。
アイゼフィールへ持ち込んだらきっと高値でさばけるぜぇ?
青:手下が皆、
あんたみたいに器用に生きれる訳じゃないんだ。
血を見たくて海賊になった奴等もたくさん居る、
忘れないでおくれよ?
伊:実は俺、
血を見ると萎えちまうんだよなぁ。
そういうのが好きな奴って頭おかしいと思う。
青:何の為にヴェインの後釜に座ったんだい?
海賊王になるんじゃ無かったのかい?
伊: ……最近なあ、
普通に商船団を組んでもやっていけるんじゃねえかって、
それが俺には向いてるんじゃねえかって思う時もある。
青:だらしないねえ……。
やっぱりあんた、
シルヴィアに一発殴られとけば良かったんだよ。
伊:止せよ…下手したら永遠に目覚めねえぜ?
『伊達男』の二つ名も返上しなきゃならねえ…ああっ、でも!!
青:でも?
伊:良い女だったなぁ、
あいつ……へへっ。
また逢いてえや。
青:( 溜息 )――。
( 間 )( 風の記憶:翡翠色に煌めく小さな星 )
子:父上!!
剣技を教えてください!!
父:ほう?
あれだけ痛めつけられてなお、
鞭を乞うとは……。
お前は見所があるな。
子:はい!!
僕は父上の子供ですから!!
父: ……ふん。
母:ほら、2人とも。
今日はこの辺にしておいて、
お花見に行きましょう?
子:母様!!
父:冗談ではない!!
何故この私が庶民の行楽の真似事なんぞ――。
母:ではどうしてあなたは私を選んだのですか?
父: ……うぬっ!?
母:ふふっ……。
あなたの大好きなベイクドチーズケーキも焼いたのよ?
一緒に食べましょう?
父:ぬぅ……。
子:父上―。
どうしますか???
父: ……お前が今日中に風の刃を3本出せたら考えてやる。
母:あなた――。
父:( 被せる )黙れぃ!!
私にはフィーバストルテの家長として、
この男を最強にする義務があるのだ!!
妥協は許さぬ!!
母: ……。
子:大丈夫です!!
母上。
僕はきっと上手くやってみせます!!
母:ミシェル……。
父:良くぞ言った。
それでこそ我が息子だぞ?
子:でも一つだけお願いがあります。
父:なんだ?
子:ジーニアスも一緒に連れて行ってあげたいんです。
あの子は何時も寂しそうだから。
父:ふっ…何を言うか。
『王の影』に感情などありはせん。
その様に作られていくのだからな。
子: ……駄目なら今日は修行しません。
父:何っ!?
子:だってジーニアスは友達です……!!
独りは可哀そうです……!!
父: ~~~ッ!?
勝手にするがいいッ!!
所詮軟弱な男よ!!
最初からお前に期待などしておらんッ!!
子: ……。
( 泣く )――。
母:良いのよミシェル。
私とミシェルと、
ジーニアス君と3人でお花見に行きましょう?
子:( 泣きながら )――ひっく。
だって……父上がきっと怒ります。
母:大丈夫よ。
誰だって怒る時もあれば笑う時もあるわ。
そして得る時もあれば失う時もある。
だからこそ自分を見失っては駄目よ?
子: ……自分って何ですか?
母:あなたが大事だと思う宝物。
それさえ守り続けていれば、
あなたは何時までもあなたのままで居られるわ。
子:僕は……母様を笑顔にしたいです。
母:あら、
嬉しいけどもう少し頑張りましょう?
あなたは四騎士なのだから。
子:じゃあ……。
皆を笑顔に出来るような英雄になります!!
母:( 微笑む )――。
さあ、
一緒にジーニアス君を迎えに行きましょう?
子:はいっ!!
( 間 )( 星の記憶:鈍色の欠け星 )
漢:ガハハ!!
美味い飯じゃのう店主よ!!
宿:あの……お客さん、
本当に幽霊退治をしてくれるんでしょうね?
漢:うむ、任せておけい!!
某はな、
以前にもベルホストに仇成す幽霊と戦ったことがあるのよ!!
宿:ど…どうなったんですか…!?
漢:半殺しにされたわい!!
ガッハッハッハ!!
宿:そ、そんなぁ……。
漢:うむ、まあ宿屋に出る幽霊なぞ、
所詮行き倒れのひょろひょろに決まっておる。
存外恐れる程の事も無いやも知れんぞ?
宿:そ、そんな事言って!!
ちゃんとお代の分は働いてもらいますからね!!
漢:案ずるな。
一宿一飯の恩義を忘れる程、
この腕は錆びついては居らぬ故にな……!!
宿: ……。
漢:( 大いびき )ンゴオオオオオ!!
グゴォォォォォ!!
……ムニャムニャ。
宿: ……あの、
片腕の騎士さん?
漢:ううん…。
むにゃむにゃ……。
宿:騎士さん……!!
漢:んっ……なぁんじゃい煩いのう、
それに某は騎士ではなく旅人だ。
ばっくぱっかーだ。
宿:なにか…物音がしませんか?
( 出来れば物音 )……ほらっ!!
漢: ……済まぬッ!!
実はたった今某が屁をこいてしまって。
宿:違いますよ……ほらっ!!
何やら物音がしてますよ!?
漢:ややっ!?
なにやら女人のすすり泣く声も聞こえてきゆる!!
宿:どうしますか!?
バックパッカーさん!!
漢:決まっておろう!!
女人が泣いておるのだ!!
これを助けずして騎士を名乗れようか!?
宿: ……えっ?
漢:いや名乗れまい!!
違うか!?
おおっ!?
宿:は…はい。
そうですね。
漢:待っておれ!!
ゴッツィ家の誇りにかけて救ってやる!!
宿: ……。
……ッ!?
うわっ…うわわわ……!!
漢:うむ、店主よ。
どうやらこの娘、
遠い異国の地で生活に窮してな、
腹を空かせているらしいのだ。
宿:あ…あひぃぃ……!!
漢:おまけにどういう訳か、
夜しかうろつけずに誰も相手にしてくれなかったらしい。
ふむ……悪いが飯を喰わせてやってはくれぬか?
宿:ど…どうぞご勝手に……!!
厨房なら好きに使って下さって構いませんから……!!
漢:ああっ!?
……なんじゃい冷たい奴め。
まあいい、
好きに使えと言うのならそうさせてもらおう!!
宿:だって…それ……。
どう見たって腐って……。
漢:おう娘よ!!
世界を旅して会得した自慢の料理をたらふく喰わせてやるぞ!?
ガハハハハ!!
宿:あ…悪夢だ……。
( 間 )( 風の記憶:眩き恒星と二つの衛星 )
天:美味しいですねス―――。
ペンちゃん。
白: ――ぶっ!?
貴様よりにもよってぺ…ペンちゃ……!!
紳:ええ♪
最高に美味しいですね、
皆さん。
天:ペンちゃんもこういう所で料理を食べる娯楽くらい赦されるよね?
だってなま物なんだし、
一応。
白:一応では無い!!
スター…ペンちゃんはれっきとした人間だ!!
紳:ふふ……。
タラという魚をここまで工夫するなんて誰が思いつくでしょうか?
このお店の主の強い信念と慈愛を感じます。
天:でしょ~~?
それに働いてる子が可愛いんだよねぇ。
あのプリッとしたお尻を強調したメイド服がさ。
白:お前がたまの休日に、
何をしようが別に問わぬがな、
天使の癖に人間に惚れるのだけはどうなのだ?
天:おー?
じゃあルミちゃんは一生独身でいるつもり?
白:ぬ…それは……。
天:自分は龍だから性欲が湧かないとかうそぶかないでよね。
白:くっ……!!
堕天使風情が……!!
紳:ふふっ……。
人生には規律も楽土も必要です。
私はどちらの意見も素晴らしいものだと思います。
天&白:スタ……ペンちゃん。
紳:こうして規律を犯して私を遠くへ連れて行ってくれたレムも、
それをたしなめつつも私と共に来てくれたルミエールも、
私は大好きです。
白:それは……貴方様が余りにも嬉しそうだったのでつい。
天:良いお店でしょ?
色んな人間が集まって色んな会話をしている。
紳:そうですね。
ここで話をしているだけで、
まるで壮大な絵の一部を描いているかのような達成感を味わえる。
素敵な空間とは此の事ですね。
白: ……申し訳ありませんが、
そろそろ戻らねばならない時刻です。
紳:はい、
わかりました。
白:……うっ。
天: ……もう少し融通つけてあげようよ。
何なら僕が影武者を仕立ててあげようか?
白:それは……。
紳:いいえ、
お気持ちだけで充分です。
私には私を待ってくださっている人々がたくさん居ます。
こんなにも嬉しい事はありませんから。
天:じゃあ行きますか。
黄昏の似合う天空の塔へ。
白:務めが待っています。
紳:そうですね。
私の手など無くとも人は充分に癒されると解りました。
それだけでも得るものはありましたよ。
( 間 )( 星見の間 )
プー:プー。
色んな人生が有るプね。
ニジ:でもこれを見ても得るものなんて何もないでしょう?
だって君は君、
私は私、
彼等は彼等なのだから。
プー:プー……。
そうかも知れないプー。
ニジ:悟ったような気になるだけよ。
本当に大事なものは自分で掴まなければ誰も見向きもしないわ。
プー:プー。
ミシェル君プー。
ニジ:誰かを愛するにしてもそう。
誰かを振り向かせる努力が、
必ずしも自分を強くするとは限らない。
プー:ロミオ君だプー。
ニジ:そして強くなればなるほど孤独になって、
何時しか人々はそれを理解しようとしなくなる。
プー:スターナ様プー。
ニジ:ねぇプーデット。
君が出す答えは、
この星々に負けないくらい煌めくのかな?
プー:プー、
僕は光らなくても良いプー。
ニジ:どうして?
プー:僕が光ったら他の誰かが光らなくなるプー。
そしたらきっと可哀想だプー。
ニジ: ……本当にそれで良いの?
プー:プー。
皆だいすきプー。
ニジ:( 微笑む )……そして君は、
サラが大好きなんだね。
プー:プッ?
誰プー?
ニジ:ああごめん、
彼女の今の名前はシルヴィアだったっけ?
プー:あーー!!
シルさんは大好きプー。
ニジ:あの子は昔、
サラという名前だった。
リューシオン様から竜騎士シルヴィアの昔話を聞かされてから、
シルヴィアと名乗り始めたんだよ?
プー:プゥ……色々あるプね。
もっとシルさんの事知りたいプー。
ニジ:ふふっ…。
それはつまり、
出来る事なら僕が彼女を救ってあげたいプー。
ってことで良いのかな?
プー: ……だめプー。
シルさんは僕には勿体無いプー。
だって僕は、
シルさんの御蔭で優しく成れたんだプー。
ニジ:何時か夢を叶えて彼女を迎えに行くのが夢、か。
果てしないね。
プー:ニジさんはどうしてここに居るプ?
ニジ:さあ?
もう少し人と関わって行きたいから、
かな。
プー:プー?
そうなのプー?
ニジ:それよりほら、
もうすぐシルヴィアがここに来るよ?
プー:プッ!?
ニジ:この地はシルヴィアの産まれた地。
不思議な事は何もないさ。
私と彼女は友達だしね。
プー:じゃあもう行くプー!!
あっ、
ここで話したことは秘密プー!!
ニジ:ふふっ……。
君に素敵な人生と変わらぬ夢があらんことを。
プー:プー!!
ニジさんもたまにはお外の空気を吸うプーよ?
じゃ、バイプーーー!!
ニジ: ……自分の事は自分では判らないものだけど、
君はしっかりと輝いているよ。
だって君には旅を続ける勇気があるんだから。
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