「風のシルヴィア(18)~夢のジャキ☆ポキ☆タウン~」
( 悪夢:『 終わりの見えない答え 』 ) シル:そんな目で私を見ないでくれ。 プーデット。 プー:どうしてミルケットを殺したプー? シル:解らない。 ……助けられると 私なら叶えられると信じたのにこの プー:そんな事は聞いてないプー。 どうして殺してしまったプー? シル: ……。 プー:何か言ってくれプー。 言えプー。 シル:ごめんなさい。 プー:それだけプー? シル: ……。 私は プー:それだけ? シル: ……。 プー:お前が死ねば良かったのに。 シル: ――ッ!? ( 間 )( 夢のジャンキータウン:民家 ) シル: ―-ハッ!? ……ハア……ハア……。 ( 唾を飲む )――。 夢……? あれが……夢……!? カト:ハロー、 シル: ……誰だ? カト:はいぃ。 ワタクシの名前はカトーです。 シル:この服……。 お前が脱がしたのか? カト:あっ!? ああいやその、おふっ、 おほおほっ、ふっ。 あっ、あなたがですね、 シル:ああ……そうか。 ( 風邪の演技 )――コホッ。
カト:はいぃ!! ワタクシはこの部屋まで連れてきて、 決してやましい事はございませんです!! ハイ!! シル: ……何と言ったか。 いや、 カトーさん。 カト:えっ、 えっ、 礼には及びません、 シル:きな そして何よりもメルヘンだ。 カト:ここは夢の街『ジャンキー・タウン』です。 ジャッキー君が認めた変な人間だけがここに招待され、 夢の中で過ごせるのです。 シル:何が(笑) 見ろ、 そこの流しに置いてある目玉も これが夢の中だとしたら、 カト:それはジャッキー君のイタズラですね、はい。 シル:お カト:おふっ、 あっ、あぁワタクシとしたことが!? 準備しますです、 いやっ!? 買ってくるです!! シル:お願いしますです。 カト:はっ、はい!! あっ、あのですね、 宜しければお名前を…。 シル:シルヴィアです。 シルヴィア・シルフィード。 カト:うひょぉぉ!? ほおぉぉ。 良い名前ですねぇ……。 シル:ふふっ、 ありがとう。 カト:はいっ!! ではではシルヴィアさん!! 行って シル:行ってらっしゃい。 カト:ルンルンルン♪( 歌いながらフェードアウト ) シル: ……本当に行っちゃった。 良い人なんだなぁ。 ( 間 )( 闇に潜む道化師 ) シル:何を隠れている? ジャ:ヒヒッ、 ヤヒヒッ♪ シル:お前が『ジャッキー君』か? みょうちくりんなホビットだな。 ジャ:ホビットじゃなああああい!! ヤヒヒッ♪ ボッキの名前はジャッキー・ポッキー!! 夢の世界の シル: ジャ:おっ、 おおおっ!? それならば!! シル:何だ? ジャ:ミュージカルだ!! ミュージカルをぶっ放そう!! シル:なん……だと? ジャ:ボッキの最新作、 聞いてください。 『ジャキ・ポキ・ドゥウウン』♪ シル: ……。 ジャ:( 最高に狂ってください ) ウエエェェェィ♪ ヤヒヒッ♪ ヤヒヒッ♪ ああ身体が熱い!! ママの アア嗚呼アァァァァァァ!! シル: ……。 ジャ:ヘイッ♪ お悩みの ボッキの名前を知ってるかい♪ ここの名前を知ってるかい♪ ボキはジャッキー カニバリ最高、ペド最高♪ 俺のち○こはもっと最高♪ ヘイッ♪ シル:死ねばいいのに。 ジャ:オオオ嗚呼ァァァァ!! ブオオオン!! デスモアの山に今日も死体を投げ込む作業が始まるッ♪ 何人目だ何時間目だぁっ!? カル○―、 ジャ↑ッキーオジサン↓♪ シル:もうやだ。 寝る。 ジャ:そうだ♪ 皆おいで? 安らかに眠ろう♪ ここはジャンキー、夢の無い夢の街♪ 死ねこの野郎!! ヨロディッヒーーー♪ ヨロヨロディッヒーーー♪ オロオロオロロロ(ry …… ゲロ吐いて死にそうだよ、 ……ホントウニシニタアアイ!! ホキャアアアアアァァァァ!!! シル: ……以下略。 ジャ:( 荒い息 )ゼエッ…ゼエッ……!! あ、終わったよ? シル:それで? 死ぬのか? ジャ:生きる!!! シル:そうか、 良かったな。 ジャ:うん!!! ……え、 ホントに寝ちゃうの? シル:ちょっと疲れたからな。 旅を続け過ぎたよ。 ジャ:ソッカー。 いい シル:何をしたかったのかも判らない。 ジャ:ヤヒヒッ♪ なんてことは無いね、 生き遅れた女の シル:怒らないよ? 実にその通りだと思うし。 ジャ:まあ寝たければ寝ればいいさ、 そこまで シル: ……( 寝息 )。 スゥ……スゥ……。 ジャ:ヤヒヒッ♪ ボッキの世界へ来てくれてありがとう!! シルヴィア・シルフィード。 ( 間 )( ウナギ臭たち込める民家 ) カト:いやぁぁ驚きましたシルヴィアさん、 おふふっ、 おふっ、 先程ですね、 ワタクシの友人がお ゴラ:ん? カト:いや普段はですね? 滅多に部屋から出てこない、 暗い暗い美少年なのですけれども――。 ゴラ:( 被せる )――やめなよジゴロ。 どうやら シル:( 寝息 )――。 カト:あれ? あれ? あれれ? おかしいですね? ゴラ:よっぽど疲れていたんだろうさ、 そしてそれすらも忘れるくらいに。 シル:( 寝息 )――。 カト:ふむふむ、 あれっ!? 参りました!! シル:( 寝息 )――。 ゴラ:モッタイナイネ。 カト:そうですね、 はい、 シル:うぅ……。 カト:( 食いながら )――しかし、 夢の世界で夢を見ると言うのも ゴラ:( 食べながら )――ああ。 まあ、 ここですら居場所が無いなら死んだ方がマシなのかもな。 シル:うぅ……!! カト:モグモグ、 ハフハフッ、 ああ美味しい!! 夢の中の 聞いてみたいものです。 シル:あ“あ”あ“あ”ぁぁぁぁ!? カト:ひょっ!? ゴラ:マクマク……。 シル:ハァ…ハァ…。 ゆ……夢……!? 私は確かに ゴラ:( 食べ続ける )――。 あっ、そ。 シル:何だお前は!? 何を増えているッ!? カト:えっ、えっ、 この子はワタクシの友達のゴラちゃんです。 シルさんに興味が在ると言うので連れてきました!! ゴラ:この街の汚物共にも飽きて来たんでね、 ジゴロが言う綺麗な娘さんに逢いに来た。 シル:子供の癖に偉そうだな、 コホッ。 カト:あっ!? ほら、ゴラちゃん!! あれですアレアレ!! ゴラ:薬だろ? 良いさ、 治してやるよ。 材料なら腐るほどあるし、 鰻も御馳走になったしな。 シル:うっ!? ゴラ:飲め。 シル:飲み物なのか……!? これが……? ゴラ:早く飲めよ。 そんで早く治してな? 俺達のどっちかとデートすりゃあいい。 シル:ああ!? カト:( 食べながら )――ハフハフッ。 ンッ……至福/// シル:どっちかと……? ゴラ:独りじゃ寂しかったんだろ? だから風邪なんかひくんだよ。 シル: ……( 溜息 )。 そうか、 そうなのかもしれないな。 ゴラ:どうせ誰も見ちゃいないんだ。 『ジャッキー君』以外はな。 ジャ:( 出来れば遠くから )ヤヒヒッ♪ シル: ……子供におじさん、 どっちを選ぼうかな? ジャ:ボッキでも良いんだよッ!? シル:うるさい消えろ。 ジャ:ホキャアアアア!! シル:さて、どうしようかな?
( ※カトーさんを選んだ場合 )( ジャンキー・タウン:昼間の井戸端 ) (分岐地点へ戻る場合はクリック ) シル:おまたせ、 カトーさん。 カト:おぉ、 ふっ、おっ!! おはようございます、 シルヴィアさん!! シル:随分早いんですね、 私だって早くに来たのに。 カト:えっ、えっ、 そうですね!! 準備は非常に大切な事なので、ええ。 万全の態勢で挑みたいと、 斯様(かよう)に思いました!! シル:もしかして……緊張してます? カト:いっ、 いささかっ!? シル:ふふっ…。 では参りましょう。 ( 間 )( ワクワクのデートは何事も無く ) シル:良い天気ですね。 カト:はいぃ。 大変ポカポカしてますです。 ……ん? 子猫:あー♪ カトーだにゃん、 エサくれにゃん♪ カト:ヘロー♪ 子猫ちゃんたち。 僕に逢えなくて寂しかったかい? 子猫:にゃん♪ くれくれ♪ シル:猫か……。 懐かしいな。 ブチ:おいカトー。 お前良いオンニャ連れてるにゃん? カト:あら? ブチ君いけません。 おそらくこの方はですね、 ボランティア的精神で、 ワタクシと一緒に居てくれているのです。 そういう言い方は宜しくありません。 ブチ:ケッ。 シル:私は大した女じゃありませんよ? 当て所(ど)もない旅に疲れた、 ただのはぐれ猫です。 ブチ:おお聞いたにゃカトー? このおんにゃ誘ってるにゃ、 チャンスだにゃん。 カト:えっ、あっ!? いやっ……!! あっ……!! シル:良いんですよ? だってこれはデートでしょう? 言われるまでも無く私は貴方を選んだのですから。 カト:おあぁぁ……!? ブチ:おらっ、 楽しんで来いにゃ、 子猫:行くにゃ~♪ エサを貰ったら用無しにゃ~♪ カト:はっ、はいッ!! でっ、ではですねッ!! それではですねッ!? シルヴィアさん!! シル:はい♪ カト:手ッ、 手をですねッ!! ワタクシのテテ、 手をッ!! シル:ふふ……。 はい♡ カト:あっ、やっ!? でっ、では鰻を食べに行きましょう!! 鰻は大変温かい食べ物ですから!! シル:そうですね、 寝坊して食べ損ねてしまいましたからね。 子猫: ……さーて♪ お腹一杯だしブッチーと指すにゃ♪ ブチ:おう指すにゃ!! 思いっきり指すにゃ!! 子猫:このゲーム楽しいにゃ♪ ブチ:カトーが教えてくれたおかげにゃ。 でもお前、あれにゃ? さっきカトーにもっと教えてって言わなかったにゃ? 子猫:にゃ。 空気読んだにゃ。 ブチ:ケッ。 そんな暇があったら手を読んでみろにゃ。 子猫:どっちも読めないからぶっちーは独り身にゃん? ブチ:ケッッ!! ……ケァッ!! ( 間 )( 誇る勇気は生き様の証なり ) シル:楽しいデートでしたね。 カト:ふふっ。 御満足頂けたでしょうか? シル:それはもう。 ああ、 夜風が気持ち良いですね。 ……素晴らしい景色です。 カト:ここは汚れていても綺麗でしょう? 心が洗われたとしたら総て良しとすべきなのです。 シル:この街の人々は独特なゲームが好きなのですね。 皆カトーさんにそういう話をしてましたが。 カト:はいぃ。 ワタクシが彼等に教えました。 この老体に出来る事はそれくらいですから。 シル:立派ですね。 私の友人もああいう頭を使うのが大好きなんですよ? カト:おおぉぉ!! そうなのですか。 是非一局手合わせ願いたいものです。 シル:私が此処に迷い込んだ理由が、 解った気がします。 カト:はい、 うん、そうね。 おそらくそれはワタクシと同じ理由ですね。 戦い続ける事に疲れてしまったのです。 シル:一体誰の為の人生なんだか。 私は一体……誰の為に……!! 何の為に……!! カト: ……ええ、 理由を探すのは、 高みを目指す者の試練です。 シル:傍に居てください。 カト: ……。 シル:私は何をしたかったのかが本当に判らないんです!! 誰かの為に生きれる気がしたんです!! 自分の為に生きるって言ったけど!! 本当に欲しかったのは、 ただの温もりだったんです!! カト:その役割を果たすのはワタクシではございません。 シル:どうしてッ!? カト:成程、 確かにワタクシは導師には成れるでしょう。 此の街の人々に娯楽を教え、 考える喜びを与え、 愛を説く日々は何よりも幸福だけれど。 シル:でも……なんなのですか? カト:私はやはり棋士なのです。 貴女が騎士であるように。 戦いを辞めてしまっては一欠けらも残りません。 シル:だけど……寂しいです!! カト:大人しく生きる事など誰にもできません。 私もそろそろ闘争の日々に赴かねばならないのです。 ワタクシを信望する人々の為に、 ワタクシが信仰する戦の為に。 シル:おかしいじゃないですか!? ここは夢の世界の筈だ、 何時までも夢を見ていればいい筈だ!! カト:夢が楽しい事だなんて誰が決めたんですか? 大いに苦労するからこそ、 幸福と充足は貧者に微笑みかけるのです。 逃げ惑った人々が行き着く先が此処なのだとしたら、 やはりこの街は、 ふふっ、 ワタクシには少し早すぎますね、 ハイッ!! ウフフフッ!! シル: ……お願い、 カトーさん。 お願いだから最後に貴方の温もりを。 カト:理由が欲しいのだとしたら、 やはり自分の脚で歩き続けましょう。 きっと貴女を見てくれる人が居る筈だから。 シル:だってこの夢から覚めたなら、 私達はもう二度と逢う事も無いのでしょう? だったらいいじゃないですか。 過ちの一度や二度くらい!! カト:ふーん、そうね。 じゃあね、 ワタクシは貴女を想い続けます。 幸せを願い続けます。 シル: ……どこまでも遠い空の下でですか? カト:はい。 約束しますです。 シル:私はこれからも戦い続けるのですか? カト:その方が良いでしょう? ジャッキー・タウンはその事に気付かせてくれました。 大変素晴らしい街です。 シル:そうですね……。 そうします。 ああ…良かった、 カトーさんとこの街で、 綺麗なまま終わることが出来て良かった。 カト:ウフフッ!! さっ、 鰻を食べて帰りましょう!! シル:ええ~~? また鰻ですか? カト:はいっ!! 鰻は大変温かい食べ物ですから!! シル:あははっ!! ( 間 )( ※A地点から再開してください ) ( ※ゴラちゃんを選んだ場合 ) (ジャンキー・タウン:昼間の民家 ) シル:ふぁぁ……。 ああ、 良く寝た。 ゴラ:そうか。 何よりだな。 シル: ……あ。 ゴラ:オハヨウ。 シル:ごっ、 ごめん!! 今日はデートをする約束だったのに!! ゴラ:良いさ、 それだけ薬が良く効いたって事だろう。 風邪のまんま連れ出すのも酷い話だしな。 シル: ……本当だ、 風邪がすっかり治ってる!! ゴラ:どうする? 出かけるのか? 俺はこのまま乳繰り合っても構わないけど? シル:そういうのはもう少し大人になってから言え。 ガ・キ。 ゴラ:ハハ……!! じゃあ支度しろよ。 外で待ってるからさ。 シル:あ……。 ゴラ:礼なら良い、 ほれた女に尽くすのは当然だからな。 シル: ……。 ( 間 )( なんやかんやの忠美人は ) シル:お、お待たせ。 ゴラ:待ってないさ。 シル: ……それ、 パズルか? ゴラ:ジゴロが持ち込んだ外の遊び。 簡単なようでいて奥が深い。 シル:ふうん、 是非私にも教えてくれ!! ゴラ:嫌だね、 筋肉馬鹿には身に付かないに決まってる、 時間が勿体ない。 シル: ……お前なぁ。 ゴラ:怒るな怒るな、 ほれ。 シル:これは……。 蜂蜜酒か? ゴラ:飲みながら行こう。 シラフじゃ居られないなら馬鹿になればいい。 シル:ひょっとして……、 私の事を気遣っているつもりなのか? ゴラ:恋人だからな。 シル:あ、ああ。 『ゴラチャン』……って呼べばいいのか? ゴラ:名前なんて飾りだろう? だからそれでいい。 ( 間 )( ジャンキー・タウン:悪臭込める街路 ) 狂人:ケヒャヒャ!! イヒャヒャ!! 愚者:おうぅ……!! あうぅ……!! 狂人:あっち行けよ化物!! 気持ち悪いんだよ!! 愚者:ああぁぁ……!! やめてぇ、 やめてよ父さん……!! シル:何だ? ゴラ:あれは……。 シル:おい、 止めろ!! 狂人:ああ!? なんだお前!! シル:何でも良いだろ!? 何故そいつに剣をかざす!? 愚者:ばああ…ああぁ……!! 狂人:キッシッシ!! こいつなァ? 面白ぇのさ、 殴られようが切り刻まれようが絶対に死なない、 反撃もしてこない、 キヒヒッ!! 愚者:ごぼっ……!! シル:うっ……。 狂人:くらえっ!! 無残剣!! 愚者:あぐあぁぁ!? ……あぅぅ!! 狂人:ケヒヒッ!! 見ろ!! この様だ!! シル:何なんだ……!? こいつは一体……。 ゴラ:俺達に関わりのある奴なんだろう。 此の街はそういう所だ。 シル:私に関わりのある存在だと? 繋がり……。 狂人:おい、 あんたもこいつに剣を突き刺してみなよ。 好きなだけ肉を切り刻めばいい。 どうせ無罪だ!! 愚者:うぅぅ……!! 母さん、母さん……!! シル:まさか……!? まさかそんな……!! 愚者:兄……さん……!! シル:嗚呼ッ……!! ここに、 ここに居てくれたんだ……!! 狂人:知り合いかッ!? でも止められねえ!! 止めらねえ!! ……キヒヒ!! 俺とお前はこれからずっと一緒だよん!! 愛しい化け物ちゃん♪ 愚者:痛いよぉ……!! 止めてよぉぉ……!! 住人:いやだよ~~ん♪ 死いぃぃぃ!! ……おひょ!? ゴラ:良い面構えだ。 狂人:はっ、 放せこの!! ゴラ:ふふっ……お前、 良い『材料』になりそうだな。 狂人:や……!! 何この黒いの? や、やめ……、 包まないでッ!? ひいいぃぃ……!? 愚者:うぅぅ……!! シル:ごめん、 私は助けるって言ったんだ。 それは確かに私の選んだ道だったのに。 愚者:こ……コロ……。 シル:えっ? 愚者:コロサナイデ。 シル:殺すもんか!! 誰がお前を殺したりするもんか!! 愚者:モウ……ダレモコロシタクナイ。 シル: ……ッ!? 愚者:ダカラ……。 止めて。 ゴラ:ほう? 俺の事か。 狂人:うっ……!? プハァッ!! ゼェ……ゼェ……!! うっ……!? ゴラ:生きたければ行くがいい。 ( 囁くように )……命拾いは出来ないだろうがな。 狂人:ひっ……!? おっ、 覚えてやがれぇぇぇ!! シル: ……私はどうすれば良い? ゴラ:未練があるからこの化物は此処に居るんだ。 ならば、 魔法の言葉をかけてやれ。 シル:魔法……? ゴラ:なに、 舌鋒(ぜっぽう)で人を殺すことも出来れば、 説法(せっぽう)で楽にしてやることも出来る筈だ。 シル:この子が欲しい言葉……。 ゴラ:だが良いのか? その言葉が真実だとして、 それでこいつはこの世界から完全に居なくなる。 シル: ……。 ゴラ:お前にその覚悟があるか? 愚者:う…うぅ…!! シル:( 唾を呑みこむ )……。 どんな……生き方を選んだとしても……。 愚者:おぇぇ……!! シル:夢を……諦めたとしても……。 誰からも愛されなかったとしても……。 愚者:( 呻く )……!! シル:私は貴方を愛している……。 ゴラ: ……ふっ。 シル:無償でも良い……。 何をされてもいい……。 貴方の人生は素晴らしくて……。 ただひたすら愛しいものだった……。 愚者: ……本当に? シル:ああ、 きっとそうだよ。 だからまた、 きっと逢えるさ……!! 愚者: …………。 ……ありがとう。 ……シルヴィア・シルフィード。 シル:ううっ……!! ( 泣く演技 )――!! あああああぁぁぁぁ!! ( 間 )( 浄天の導き ) シル:無様な所を……見せてしまったな。 ゴラ:泣き止んだのならそれでいい、 それだけでな。 シル:( 泣き疲れて )グスン、 ――フッ、 お前はどうしてこんなにも私に優しいんだ? ゴラ:秘密だ。 シル: ……そうか。 ああ、 綺麗な夜空だなぁ。 ゴラ: ……。 シル:( 吹っ切れたので明るく )言っておいた方が良いぞ? ゴラ: ……俺も断片に過ぎないのさ。 シル:断片? ゴラ:本当の俺はそうやって何人も自分を斬り捨ててきた。 俺はその思い出の一人、さ。 シル:思い出……。 未練か……? ゴラ:もしくは後悔かもな。 複雑すぎて話にならんよ。 シル:私の力で救ってみせる。 ゴラ:その言葉は聞きたかったが、 どうやってだ? シル:強くなって、 生き続ければいつかは辿りつける筈だ、 本当のお前に。
ゴラ:へえ……まあ、 出来たらで良い、 上手くやってくれ。 シル:我が剣に誓って。 ゴラ: ……力を求めるってのは悪い事じゃない。 その果てに悪に染まろうが正義に染まろうが知った事でも無い、 ――けどな? シル: ……。 ゴラ:力を求め続ける事が、 そもそも難しい事なのさ。 シル: ……肝に銘じるよ。 ゴラ:じゃ、 お開きにしますか。 シル:そうだね。 色々あったけど君は最高のパートナーでした。 ……ありがとう。 ゴラちゃん。 ゴラ:礼は良い。 俺が最高なのは決まっている事だ。 シル:ふふっ、 では部屋まで送って頂けるかしら? ゴラ:喜んで、 シルヴィア・シルフィード。 ( 間 )( ※A地点から再開してください ) ( ※A地点 ) ( お別れのジャンキー・タウン ) シル:それでは皆さん、 お世話になりました。 カト:ワタクシも行きますね、 ゴラちゃん、 ジャッキー君バイバイ。 この街は大変楽しかったです。 シル:ふふっ、 じゃあな、 ゴラちゃん。 ゴラ:行ってらっしゃい。 老兵に女騎士。 シル:元気でね? ジャッキー君。 ジャ:ヤヒヒッ♪ 皆去って行ってしまうね♪ 素晴らしいねッ♪ シル:素晴らしい? 寂しい、 の間違いだろ? ジャ:ヤヒヒッ♪ ボッキはね、 ここへやって来る人も好きだけど、 ここから出ていく人はもっと大好きなのさッ♪ カト:フッ、 オフフッ、 やはり貴方は大変素晴らしい御方です!! ジャ:じゃあね、 カトー!! シルヴィア!! 君たちに出逢えて良かった!! シル: ……ああ!! さよなら!! カト:グッバァイ皆さん!! お幸せにぃぃ!! ゴラ: ……行っちまったな。 ジャ:ヤヒヒッ♪ さあ~、 今度来る人達はどんな病(や)みを持ってるんだろ? ヤヒヒッ♪ ゴラ:ジャッキー君は本当に幸せだよな。 ここが居場所で、 生きてる理由も確かなんだから。 ジャ:ヤヒヒッ♪ ヤヒヒッ♪ ヤヒヒヒヒッ♪♪♪ |
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