題名  公開日   人数(男:女)  時間  こんな話  作者
 ナンバーワン 2013/08/31  3(3:0) 25分   皆生きている時点で、勝者なんだよ  りり~

A  : 男
B  : 男
C  : 男


「ナンバーワン」


A  参加者は多いって…話には聞いてはいたんだけど、予想以上の規模だなこれは
   えっと、ここで待機でいいんだよな。あ、すみません

B  おっとこちらこそ失礼

A  いえいえ

B  ん?随分身軽な格好での参加ですね

A  いやー初めての参加なもので

B  私もですよ
   噂では、かなりリタイア者続出のレースみたいなので、なめてかかると痛い目に合うとかないとか

A  そうなんですか。なんとなく参加しただけなのに大丈夫かなぁ
   でも地図によると、走る距離はそう長くないのに、意外ですね

B  なんとなく参加?ですか。へえー…皆、その地図でだまされるんですよ

C  ごほん、そこ、俺の場所

B  え?

A  この区画一体で待機って、言われているだけでしょ?
   細かく個人がどこに待機かまでは指定はされてないでしょ

C  ん?何か文句あるのか

B  いいですよ、今ここどきますから

A  え、いいんですか?

B  喧嘩は売られても買わない主義なんで。どうぞ

C  ふん!分かればいいんだよ

A  …にしても、すごい重装備だな。そんな格好で、走る気なのか

C  嗚呼?なめてるのか?
   貴様みたいな何もわかりませんっていう頭の弱そうな奴が、すぐリタイアするんだろーな

A  まぁ、なんとなく参加しただけだから。
   途中でしんどくなったら抜けてもいいかもなーと思ってるのも本当だけどな

C  …本気で言ってるなら聞き捨てならないな、その台詞

B  はいはい、そこらへんでストップ、はじまりますよ

C  せいぜい野垂れ死にしないようにな、ヒョロ野郎

A  嫌味ったらしい奴、あんな目ギラギラさせながら、敵意向けてきやがって

B  スタート前からもう戦いは始まってるんですよ、じゃあお互いの健闘を祈ります

A  ああ…よし、スタートだ!
   ってうわあああいきなり何この水

C  この波の流れに乗ってっと。お先

A  あの背負ってたボートは、ここで使うために持ってきたのかあいつ
  勢いが増してきた…うわあ体が勝手に流されて

(ザバー)

(つららが溶けるイメージの音ちゃぽん)

B  大丈夫ですか、立てますか

A  ええ、なんとか
  普通のレースかと思ってたのに、最初っから流されるとか聞いてないし
  ここはどこなんですか

B  トンネルを通り抜けた先ですよ…皆ここに流れ着いたみたいですね

A  あ、あいつもいる

C  貴様らも生き残っていやがったのか
   俺が見るに、もう80%くらいが脱落したっぽいけどな

B  それは、元々やる気がない連中でしょ。おそらく

C  戦う資格もない奴らだからな、俺たちとは違うさ

A  もうそんなにリタイア者が出てるのか
   スタートしたばっかりだっていうのに、よいしょっと…とりあえず前に進むしかないな
   ん?なんだこれ

B  気をつけてください、じっとしてると溶けますよ

A  え?まさかー

C  そいつのいうことは正しいぞ。その液体には触れるな、避けて通れ
   じゃないと命を落とすぞ

B  僕も、その液体で、さっきうっかり足怪我しちゃいましたよ

A  こんな危ないものがあるなんて…ただのレースじゃなかったのかよ

B  愚痴ってても仕方が有りません。ほら、見てみてください。
   のろのろしてたら、あの方みたいな末路になりますよ

A  え?どういうことだ?
   ん…うわ、こいつ身体が半分溶けてやがる

C  足元だけ気をつけてもだめだぞ、上からもその液体が落ちてくるからな

B  ぼーっとしている暇はありません、行きますよ

A  よくみたら、あっちの方でも…死んでやがる…何なんだよこれ

C  貴様もそうなりたいのか?

A  んなわけねーだろ、あー…帰りたい
 
(登っていく音後、山の上で風びゅーびゅー音)

A  で。急いで一山乗り越えてきたけど、行き止まりじゃないか

B  そうですね

A  また人数も減ったみたいだし…でも足遅いのに、女もまだ結構生き残ってるみたいだな
   ほんとにゴールなんてあるのか?レース主催者が、俺たちの命で遊んでるだけじゃないのか

C  ここに来るまでに、99%は死んでるな

A  そんなに?!

C  ああ

B  さて、ここから先に行くのには、どうしましょうかね

C  ただひたすら待つ、それだけだ

A  あ?こんな場所で黙って待ってろっていうのか

C  あの先を登るには、俺たちだけの力ではいけないからな

B  あ、上…なんでしょうか?

A  え?

(ヒモ落ちてくる音)

C  きたか、よしいくぞ

A  何このヒモ。どこから落ちてきてるんだ?

B  …登るしかなさそうですね

C  早くしないと、他の奴らに蹴落とされて登れなくなるぞ

A  行くしかない、か

(よじ登る音)

B  着きましたね

A  はぁはぁ…危うくでっかい女に、這いずり落とされそうになった

B  競争だから仕方がないですよ

A  皆が必死すぎて、なんだか俺ここにいるの場違いな気がしてきた

B  そろそろ必死にならないと、あなたも簡単に死にますよ

A  怖いこというなよな。なんとなく参加表明だしたことを今ひどく後悔してるよ
   しっかし次は何だ
   迷路?なのか

C  ここは、運だけがものいう迷宮だ
   先が天国か地獄かは、誰にもわからない

A  また罠かよ

B  僕はこういうの好きですよ、運も実力の内っていいますしね

A  そんななんの根拠もない選別を受けるなんて、とうにごめんだけど…行くしかないんだよな?

C  じゃあ俺はこの穴からいく。ここで別れになるかもな
   死んだら、せいぜい自分の運のなさと、実力の低さに嘆くんだな

A  …あの野郎も、運においては俺達と同条件の癖してよくあんな減らず口叩けるな
   ほんっと胸糞悪い野郎だぜ

B  元々力ありそうな方ですし
   自分に絶対的な自信があるから、おそらくああいう風に、はっきり言えるんでしょ
   頭で考えるよりも、行動が先に出るあの積極性は、僕も見習いたいですね
   ふう…じゃあ僕も、皆で同じ場所入って、全員行き倒れは嫌ですから、この穴からいきます
   それでは御武運を

(洞窟内の音)

A  二人共どうにかしてるぜ
   色んな穴から悲鳴が聞こえるし、入る気起きねーよ…けど、前、進むしかないか
   狭いな…うわここも二手に分かれてるし…右手の法則で行こう、壁に手を這わせて慎重に進もっと
   はぁ…あいつら…無事かな

(洞窟終了)

C  0.0012%の世界へようこそ

B  再会できてよかったですよ、あれ、あの方はいないんですか?

C  運持ってなさそうだから、落ちたかもな。ついでに頭も悪そうだったしな

B  まぁ確かに、賢明さは感じない方の様でしたしね

A  人を勝手に過去の人にしないでくれる?

B  あ、大丈夫だったんですね

C  案外しぶといんだな

A  それはこっちの台詞だ、人がいないことを契機に好き勝手なことほざきやがって

C  正直に、貴様の印象を話し合ってただけだ

B  ふふ、良かったですね

C  ん?

B  貴方なりに心配してたみたいでしたから

C  そんなんじゃねーよ

A  何?お前みかけによらずそんな性格してんの?

C  貴様は馬鹿か。俺は使命のために行動してるだけで、他の奴らのことなんてどーでもいい

A  使命?お前頭おかしーんじゃねーの

C  あ?もしかして使命も分かっていないで、ここに参加しているのか?
   なぜこんな奴が最初に落ちなかったのか、この世の理に疑問しか浮かばないな

B  まぁ、それだけ彼が強運を味方に付けてるってことなんでしょ、ある意味

A  何でもいいけど、そろそろゴールなんじゃないのか?

B  そうだといいんですけどね

C  見ろ、そんな簡単にはゴールできなさそうだぞ

A  なんだあいつら、別のグループの参加者か?

B  それにしては…雰囲気が違いますね。物騒なもの持ってるみたいですし

C  嫌な予感しかしないな、逃げるぞ

A  でもどこへ

B  逃げつつ、どこか出口がないか探しましょう

A  危ない後ろ!

C  ちっ。思ったより早いなあいつら

B  数も多すぎじゃないですか、明らかに僕達を狙ってますよ!

A  うわあ、何人か殺られた!なんだあいつら
   なんで、俺らを狙ってくるんだ

B  僕達は…招かれざる侵入者ってところですかね

C  何か武器でも持ってこりゃよかったんだが、さっきの迷路の道が細すぎたから、全部放ってきたし
   やっぱり逃げるしかないな

A  こっちくんな!うわあ

B  危ないですよ!ほらこっちに

C  落ち着け!冷静な判断を見失ったら奴らの思うツボだぞ

B  二人とも!こっち見てください!扉があります

C  でかした。扉開けるぞ

A  早く急いでくれ!あいつら、こっちに向かってくる!

C  落ち着け!うるさいから、ほらっ…お前から入れ、この!

(ピンポン)

A  無理やり押し込むなよー痛えな

C  ほら、お前も次いけ

B  よし、入りますね

(ブー)

C  ん?どうした?何してるんだ、急げ

B  なんか、入れないみたいなんです

A  え?なんで

C  あ?どうしてだ、俺が試しに行ってみるか

(ピンポン)

C  ん、普通に入れるぞ、ほら。こっちに手伸ばせよ

B  んっと、じゃあ…

(ブー)

B  痛っ!

C  おい、何離してんだよ

B  いやー…あーちょっと、そっち側には、僕は行けないみたいです

A  は?ここ入るだけだろ、ちょっと狭いけどお前細身なんだから通れるだろ

B  だと思ったんですけどね。
   でも…通ろうとするとね。さっき液体でケガしちゃったところが熱くなって…
   はじき飛ばされるというか、見えない壁があるというか…なんなんでしょうね
   どっちにしろ、だめなんでしょうね、僕

A  何わけわかんないこと言ってんだよ、意味わかんねーよ

C  本当に無理そうなのか?

B  ええ…。嘘でこんなこと言っても、僕に何の得もないですよ、はは…

C  それも…そうだな

A  ほら、早くしないと、あいつらがこっちに来ちゃうよ

B  僕のことはいいですから、先行って下さい
   ちょうどよかったんですよ僕。
   何か集中力が途切れちゃったというか…疲れちゃいました

A  何だよ…それ

C  行くぞ

A  あ?ここまで一緒に来たのに、放っていくっていうのかよ

B  別に一緒に、じゃないですよ
   偶然同じ使命を持って、同じ方向に向かっていた…それだけのことです

A  そういうことじゃなくて

C  もう時間切れだ、俺は行く

A  …やっぱり、あいつはただの薄情者だ。ちくしょーなんか手はないのか

B  ふふふ、彼は現実が見えてるだけですよ。
   貴方には何もできないですよ
   あ、でもぼくあきらめたわけじゃないですからね?
   あっちにも人が集まってるし、出口は他にもあるかもしれませんからね
   いっとくけど、負け惜しみじゃないですからね?
   あ、これすらも負け惜しみか…はは
   そんな顔してないで、早く行ったらどうです?

A  うう、でも

B  じゃあ…同じ使命を持った「ライバル」として忠告します
   第一、あなたは使命なんて感じないで参加していますし
   僕相手にそう感じてくれてはいないかもしれないですがね
   何も志を与えられずに、生を受けた可能性だって考えられます
   だったらちょうどいいでしょう?
   僕の分の使命、貴方に託します
   生きてください

A  何言ってんだ、そんな何も分かっていないことを俺には…

B  勝手に…無理やり僕が託しただけですから、そんなに気にしなくていいですよ
   元々こうやってただ生まれて、ちっぽけに死ぬだけの力しかない奴だったんですよ僕は
   何も見つけること、できなかったな…でも、貴方達と一緒に走れて…楽しかったですよ
   …もう取り囲まれたようですね、皆もう殺られて、僕が最後ってことですか
   それはある意味名誉なことですね
   …ではそろそろ。扉閉めますね

A  待ってくれ!

B  僕には…あるべき運が足りなかったんです
   幸運を祈ります


A  ちくしょ…
   そんな大任、簡単に任せやがって。託すとか
   背負える訳ねーだろ
   何も志なんてなく、なんとなく参加してるような俺には…できねーよ

C  ようやくきたか、一緒に心中でもしたのかと思ったぞ

A  そっちの方が気分は楽だったかもな

C  …そうか。でもお前は生きることを望んだから、ここにいるんだろ

A  わからない。ただ…何もできない無力な自分を痛感して、動けなくなってたのかもしれない
   …あいつが、こっち側に俺を無理やり押し出したから、ここにいるだけだ

C  でもここにいるってことは、扉を抜けた後、あのとてつもなく長い通路を少なくとも自分で歩いたんだろ?
   歩いている間色々自問自答しながらも、こちら側に来たんだろ?
   だったらこれは貴様の選択した道だ。あいつはそのきっかけを作ったに過ぎない
   …感謝するんだな、あいつの命で貴様の「なんとなく」が消えたんだからな

A  かもな…それにしても、ここはさっきとは全く別空間みたいだな

C  天国みたいだろ?扉を抜けた先が、こんな所だとはな

A  皆は?

C  寝てるだけだよ。この船の上にいるので全員みたいだぜ

A  ここが…ゴールなのか?

C  さあな。でも戦士の休息場所ってところかな

A  なんか拍子抜けするな

C  ああ、そうだな

A  お前はさ、この先どうなってるのか知ってるのか

C  ん?知るわけないだろ、そんなこと

A  最初に重装備だったし
   このレースがどういうもんなのか、今何%生き残ってるとか、やけに詳しかったじゃないか

C  ああ。あれはな俺のじーさんが旅立つ前に言ってたのさ
   だから具体的に、どういうもんなのかは知らなかった
   でも皆旅立った後、帰ってくる奴がいないってのは聞いてた

A  そんな物騒な内容を聞いていたのに、どうしてこんなレースに参加しようと思ったんだよ

C  使命だからだよ

A  使命って…

C  きっと俺らには、最初の奴らみたいに、走ること自体あきらめて何もせずに死んでいくか
   がむしゃらに突っ走って足掻くのかの、どちらかの生き方しかないんだよ
   途中で脱落した奴らも、皆同じ想いだろうさ
   さっきのあいつも…走り切っての結果だから、満足はしてるだろうさ

A  どうして、そんな生き方しかできないんだ

C  「そういうふうにできてる」ってだけさ、俺たちが

A  俺にも教えてくれ

C  ん?

A  あいつに言われたんだ。俺に「託す」って
   だから知らなきゃいけないんだ、知る必要があるんだ

C  少しはいい表情(かお)になってきたな
   さっきもいったが、俺も詳しくはしらないんだ
   ただ…

A  ただ?

C  太陽をつかめ…と聞いている
   恐れずに、それをつかむことができた奴のみが、本当の意味で完走できるんだとさ

A  太陽って…なんなんだ

C  俺にもわからない、でもそこにゴールがあるんだろうなって思ってる
   全くよくわかっていないのにな

A  あいつにさ…ライバルって言われたんだ
   こんな使命のこと一つも理解できていなかった俺にだよ?
   そんなこと言われちゃったらさ…やるしかないじゃん

C  そうか。貴様なりに考えているんだな色々
   最初は頭の中見るからに空っぽなヒョロ野郎だったのにな

A  感情的になって流されてるだけかもしれないけど、あいつに影響を受けただけかもだけど
   ゴールしなきゃって、今ようやく思えてる自分がいるんだ

C  そっか

A  何で笑ってんだよ

C  いや?じゃあ、今お前はようやくこのレースの舞台上に上がってきたってわけだな
   じゃあ俺も「ライバル」か、まだ張り合い甲斐ないけどな

A  そこは否定できない

C  それでもさ。ここに来れてるってことは、少なくとも勝利し続けてきたってことなんだから
   運にせよ、何にせよ、あいつのおかげもあったとしても…お前の実力だよ
   もっと自信をもて

A  …ありがとう

C  最後に勝利を勝ち取るのは一人だけ…全力でいかせてもらうぞ

A  ああ、こちらも全力で挑ませてもらうよ


(水の泡の音)

C  何だ

A  船の下の方からか?

C  違うな。外…水面が揺れてるな

A  どこを走り抜けっていうんだ。水面のど真ん中に浮かんでるんだぞ、ここ

C  ん。あれは

A  何だ…水の中から?

C  太陽…なのか

A  あれが、か?前に襲ってきた奴らの仲間じゃないだろうな

C  じゃあ先にいくぞ

A  え?ってちょっとおい!

(じゃぼーん)

A  皆も飛び込んでるし
   あれが太陽なのか…いってみるしかねぇ…ってか!

(じゃぼーん)

A  ぶはっ!ってあれ…息出来るのか、この中

C  この!この!ゴールは目の前だってのに

A  あれが…あの球体の、ど真ん中にあるのがゴールだっていうのか

C  びくともしねぇよ、こいつ
   最後は肉弾戦ってことかよ

A  途中まで入れてる奴もいるけど、力尽きてる奴ばかりだな
   って何脱いでるんだよ

C  動くのに邪魔なんだよ、今度こそ

A  俺も行く

C  へっそっちこそやる気満々じゃねーか

A  ああ、当たり前だろ

C  言うようになったなー…うぐっ!なんだ、このあたたかいのは
   体が溶けてしまいそうだ…心地いい

A  おいいきなりどうした?こんなところで寝るな、もうゴールが目の前なんだぞ
   しっかりしろ

C  お前…なんでそんな平気なんだよ
   こっちは情けねーけど、まぶたが勝手に閉じて動けねーくらいなのに

A  ほら手出せよ、もうすぐそこなんだ
   あいつの代わりに一緒にゴールしようぜ

C  ははっ、一緒に…だと、貴様という奴は…ほんとに…
   笑わせてくれる…貴様…いや、誰がお前みたいなヒョロ男の手なんて…借りるか

A  変な意地はんなって、ほらもう少し、後ちょっとだけ手を
   うわ!何かめり込んで…身動きが

C  ほら、言わんこっちゃない
   …仕方が…ないな!!

A  うわあ!

C  共倒れになるよりかはマシだろ、さあ行けよ
   掴んでこいよ、前に進めよ

A  うわあああ

C  お前が、ナンバーワンだ



A  …中に入れたのか?
   あいつに、いや…あいつら両方に結局助けられちまったのか…俺は
   …情けないな
   しかし、暗いな、何も見えない、何も聞こえない
   他の奴らはいないな、俺一人だけか
   暗闇の中、このまま「なんとなく」消えちまうのかな…
   はは…怒られちまうな、これじゃ
   本当に…いっそのこと…消えて、しまいたいな
   ん?光が…こっちに向かってくる?
   わ!暖かい?やわらかくて、すごくいい香りで、周りを全て包み込まれるているような安心感
   身体の内側からこの光の中に溶けていく感覚は嫌いじゃない、このまま消えてしまってもいいかもな
   あっ…そうか今ようやくわかった
   なんでこんな大事なこと忘れてたんだ
   「君」に会うために、ここにきたんだ
   この世に生まれた存在理由、俺達は皆それを追いかけて走ってたんだ
   掴みとらなきゃいけなかったんだ
   もう大丈夫だよ、離さないよ
   この中で勝ち抜いてきたんだから、何だって乗り越えていけるさ
   君はきっと、全てを忘れてしまうだろうけど
   この胸の奥にある強さは、身体の…心の一部となって残ってる
   さぁ、手を伸ばして、恐れないで
   一緒にいこう?



(ED曲)


 
 
 
 
     
 
           
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