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題名 |
公開日 |
人数(男: 女) |
時間 |
こんな話 |
テキスト |
作者 |
私のヒーローと俺のヒロイン |
2014/06/18 |
2(1:1) |
5分 |
何の特徴も無いヤツだけど…私にとっては最高のヒーローだ!! |
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ピンくま |
「私のヒーローと俺のヒロイン」
ユキ 小さいころ私にはヒーローが居た。
ボロボロの玩具の変身ヒーローのお面をかぶった男の子。
その子は、いじめられっこの私をいつも助けてくれていたんだ・・・
マサル 昔俺はヒーローになりたかった。
そんな俺はある日家の倉庫から不思議なお面を見つけた。
そのお面は古くてボロボロだったけど、俺にはすごく輝いて見えた。
コレがあればヒーローになれる!守りたいものが守れる!!そんな気がしたんだ
ユキ もー マサルまたそのお面持ってきてるの?
マサル あん?なんだよ~ ユキ これは、俺をヒーローたらしめる重要なアイテムなんだよ。
いつ怪人が来るかわからんからな~ 備えとかねーと
ユキ あんたねーー 今日から私たち高校生よ?
いつまでもそんなお面持ち歩いて、恥ずかしいと思わないわけ!?
マサル あー 思わないね。こいつはスゲーんだぜ!?
こいつがあれば俺は本物のヒーローになれる。
この前だって見ただろ!?商店街で暴れる不良10人を見事に鎮圧したのを!!
ユキ ・・・・見たわよ。
それ以外にも、あんたが事故車の扉を素手でこじ開けて人命救助してるところとか、
道端で転んだおばあちゃんとおじいちゃんを小脇に抱えて走って病院に送り届けたりとかいろいろと・・・・
ええ、確かにお面姿のあんたは正にヒーローよろしく超人的な活躍してるわ
マサル だろ!?お面をつけた俺はヒーローだからな。
街の平穏の為に動くのは当然だ
ユキ はぁ・・・ お面だのヒーローだの、あんたとするのはそんな話ばかりね
マサル なんだよ~ 今日は高校生としての登校初日だぞ?
憂鬱そうにしやがってよ~ 何か心配事か?
まあ、いじめなら心配するな・・・ お前が苛められてたら俺が守ってやるよ!!
ユキ えっ・・・・
マサル みんなと一緒にな!!
ユキ ッ!本当に、馬ッ鹿じゃないの!!
マサル なんだよ~~ はっ!! ユキッ!!
ユキ えっ? きゃーーー!!
マサル あんの車!居眠りか!? ユキーーー!!
マサルN ユキが車に撥ねられるまで10数秒!間に合うか?
いいや・・ ヒーローに・・・ 不可能はねー!!
マサル うおぉぉおおおおおー!!
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ユキ ふぅえええええーーー!! 怖かった!怖かったよーーー!!!!
マサル おー よしよし。もう大丈夫~ 大丈夫だぞ~ いやー しっかし、間一髪だったな・・・
ユキ うぅぅうう ほんどうに・・・ ヒック・・・ 死んじゃうって思った・・・
マサル バーカ、お面をした俺はヒーローだ。お前を助けるなんざわけないっつーの!
ユキ お面?
マサル ん?そう、ヒーローの証!
ユキ お面・・・ してないよ?
マサル えっ? はっ、何言って~っ!?って、俺お面つけてねーぞ!?
ユキ ・・・・でしょ?
マサル ア・ハ・ハ・ハー よくお面つけてないのにこんな芸当できたもんだ・・・
ユキ あはっ、お面つけて無くても、マサルはすごいね・・・ やっぱり私のヒーローだ!
マサル ああ、自分でビックリだ・・・・ けど・・・
やっぱ、ヒロインを前にするとヒーローは底力が出るもんだ
ユキ えっ?
マサル 一番守りたい物を前にしたら、お面なんて必要ねーな。
俺はお前を守る為ならお面なしでも変身出来るらしい
ユキ もうっ!!本当に・・・・ 敵わないや・・・
マサル あっ、警察きた。 事情説明しねーとなーーー(離れた位置で説明している声が聞こえる。)
ユキ 私のヒーローはお面も無いし、変身ベルトも無いし、変身サングラスも無い。
何の特徴も無いヤツだけど・・・私にとっては最高のヒーローだ!!
おわり
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